サイバーパンクRED プレイの一例

これは1時間ほどのセッションを文字に書き起こし、読みやすくなるよう手を加えたものだ。
サイバーパンクREDをどう遊べばいいか分からない、という時の参考にしてほしい。
間違えないで欲しいが、これはあくまで我々が遊んだ一例でしかない。決して“正しいセッションの姿”などではない。残念ながらこの世の誰も“正しいセッションの姿”を教えてくれはしない。
何故ならそれは、おまえが、おまえの仲間と一緒に見つけ出すものだからだ。
【GM】
君たちは金になる話を引き受けて、南ナイトシティを移動中だ。目的地近くの裏路地へ差し掛かったところで、前方から賑やかな銃声と喧騒が聞こえてきた。
【DJ_Ω(ロッカーボーイ)】
パーティーなら一曲お見舞いしないとな。
【アンディ(メドテク)】
負傷者がいるなら治療費を頂けるかもしれませんね。
【Three-D(ソロ)】
腕を試す良い機会か。
【GM】
銃声のする方向に進んだ君たちは、角を曲がった先で地元の小ギャング・チームが障害物越しに撃ち合っていることを認識した。
今は互いにバリケードに身を潜めつつ、時折身を乗り出して牽制し合っている状態だ。とは言え空気はヒリついていて、のんびり道を歩いて行けるような雰囲気ではない。
【アンディ】
目的地までの別のルートはないんですか?
【GM】
有るけど随分と時間がかかる、約束の時間に遅れるだろう。
【Three-D】
チッ、その連中はどんな奴らだ?
【GM】
裏路地で、君たちから見て手前側にいるのはデカい牙のプリントがされたスカジャンを着ている2人組。
奥にいるのは5人で、時折顔を出す奴らは魚を模したタトゥーを入れている。この辺りを縄張りにしている“イン・ザ・リバー”という連中だ。
【DJ_Ω】
どうせ進まなきゃならなくても、いきなり銃弾で片付けるのも芸がない。
一曲披露してみるか。こんな時代だからこそ、平和の大事さを伝える曲だ。
アンプから100m先まで届くし大丈夫かな?
【GM】
ああ、問題なく全員に聞こえるだろう。
じゃあ《カリズマティック・インパクト》で、ファンにできるかどうかの判定をしてくれ。
【DJ_Ω】
人数は7人だから多人数。
俺の《カリズマティック・インパクト》のランクは4で1d10を振って……出目は5だから4+5=9! クソッ、足りないか。
【GM】
双方に曲は届いているが、撃ち合った後ということもあって反応はほとんどないな。
ただ君たちの側にいる1人が反応する。
「この曲ぅ……DJ_Ωじゃねえかぁ!」と振り返ってサムズアップ。
「次のライブはいつだぁい?」
【DJ_Ω】
お、元々俺のファンだったのか! 話を聞けそうか?
【GM】
じゃあ君が手招きすると、電柱やら看板に身を潜めながら、そいつは這ってくるよ。
「なぁ、サインしてくれねぇか?」
【DJ_Ω】
「後でな、何だってこんなところでドンパチやってるんだ?」
【GM】
「あぁ、イン・ザ・リバーの連中がぁ、俺たちロックバイトに因縁付けてきてよぉ。舐めた真似されちゃぁ黙っちゃいられねぇ」
【アンディ】
本当に単なるイザコザなんですね。傍迷惑な……
【Three-D】
コンバット・ゾーンじゃ日常茶飯事だ。
とりあえずロックバイト? とやらが敵対しないなら、イン・ザ・リバーの連中を片付けてさっさと進むぞ。
【GM】
DJ_Ωのファン、あー……名前はビリーにでもしておくか。
ビリーはDJ_Ωが手を貸してくれると聞いて嬉しそうだ。
じゃあ戦闘をはじめるとしよう。
戦闘開始
ロッカーボーイの【DJ_Ω】、メドテクの【アンディ】、ソロの【Three-D】は南ナイトシティで移動中に、小さなギャンガー・チーム、“イン・ザ・リバー”と“ロックバイト”の小競り合いに巻き込まれた。
ロックバイトの1人はDJ_Ωのファンだったらしく、新進気鋭のロッカーボーイに良いところを見せようと張り切っている。
イン・ザ・リバーの連中はそんな様子を見て、3人のエッジランナーも排除すべき相手だと認識している。
狭い裏路地で、このギャンガーどもをどうにかしなければ、エッジランナーたちは目的地に到達できそうもない。
【GM】
イン・ザ・リバーの連中は5人、超大型拳銃を構えている。
ロックバイトは2人で、アサルト・ライフルで武装している。
彼我の距離は30m程、イン・ザ・リバーの連中は何人かがベニヤ板の薄いバリケードと電柱に身を隠しているが、1人隠れ切れていない。
ロックバイト側はコンクリの壁とボロい地上車両の後ろに陣取っている。
【アンディ】
面倒なことになりましたね……
【Three-D】
問題ない、さっさと片付けるぞ。
【DJ_Ω】
ファンは大切にしないとな。
【GM】
それじゃあ戦闘開始だ、イニシアチブを決めてくれ。
【Three-D】
待った、その前に《コンバット・アウェアネス》の内容を決めておく。
俺のソロのランクは4だから、ダメージ軽減に4ポイントすべて割り振って受けるダメージを2点減らそう。
【GM】
オーライ、ではイニシアチブの決定だ。各自【反応】に1d10の目を足してくれ。
イニシアチブの結果
DJ_Ω:14 アンディ:13 Three-D:12 イン・ザ・リバー:8 ロックバイト:6
今回はギャンガーどもの数が多いため、プレイヤーたちに確認したうえで、同じチームのギャンガーは全員同じイニシアチブであることにした。
第1ラウンド
【GM】
DJ_Ωのターンだ、さあどうする?
【DJ_Ω】
撃ち合いの中じゃ曲を流しても意味はないか。
ロックバイトの連中が遮蔽にしてる車に近づいて、車越しに木製のバリケードを大型拳銃で撃つぜ。
〈ハンドガン〉判定は18だが……30mじゃハズレだ! 距離が遠い! 頭を引っ込めるぜ。
銃を打つ場合、難易度は武器の種別と目標までの距離によって決まる。
サイバーパンクRED ルールブックのP.173の表を参照すること。
(この表をセッションの前にコピーしておいたり、スマホで撮っておくと便利だ)
【GM】
車を遮蔽にしたなら、だいぶガタが来ていて鉛弾を撃ち込まれたら割と早くぶっ壊れそうなのがわかる。
次はアンディだ。
【アンディ】
30mならアサルト・ライフルの単発射撃の適正距離ですね。
車越しにアサルト・ライフルで薄い方のバリケードを撃ちましょうか、〈ライフル〉判定は出目が低くて13……難易度と同じ値でははずれですね。残念、頭は下げておきます。
【GM】
判定の前に運命を好きな点数消費して、判定の結果を消費した点数分上昇させることもできる。覚えておいてくれ。
では次はThree-D。
【Three-D】
頭数を減らしたい、イン・ザ・リバーの見えている奴へアサルト・ライフルを単発で打ち込む。
〈ライフル〉判定は17で問題なく命中。ダメージの5d6は……たった14点か。
【GM】
だが奴らが着ているのはレザーでSPは低い、しかもSPを上回ってヒット・ポイントが減少したから防具の損耗によってSPも減少する。
更に今の攻撃のダメージで重傷状態になってすべてのアクションに-2ペナルティ。
踏んだり蹴ったりだな。
【Three-D】
仕留めたかったが、仕方あるまい。
車がボロいのは不安だからコンクリの壁に身を隠そう。
【GM】
では次はイン・ザ・リバーのギャンガーたちのターン。
30mは超大型拳銃の適性距離とは言えないから、前に出て遮蔽になっている車を壊そうとしてくるだろう。
まず最初に重傷になったやつが8m近づいて、難易度20で〈ハンドガン〉判定……重傷状態のペナルティも有るしハズレだ。
2人目は……お、出目がいい、命中だ。車に鉛弾を叩き込んで4d6で16点ダメージ。
既に何点か減っていたSDPが更に減って、もはやスクラップ寸前だ。
【DJ_Ω】
おいおい、予想以上にオンボロじゃないか!
【アンディ】
あと数発は持ってほしい所ですが……
【GM】
さらにイン・ザ・リバーのギャンガーが超大型拳銃で車を狙うぞ。
次のやつは……ハズレ、4人目が……よし、また命中だ。
ダメージは14点だが、これで車は崩れ落ちて、遮蔽にならないガラクタだ。
【Three-D】
コンクリの壁にはあと何人隠れられそうなんだ?
【GM】
裏路地の突起程度だから、せいぜいあと1人だ。
さあ、残る1人が好機と見て前進して撃ってくるぞ。
騒がしかったDJ_Ωに打ち込まれる〈ハンドガン〉の判定は……出目10!
【DJ_Ω】
OMG!
判定のために振った出目が10だった場合は、決定的成功を収めたことになる。
もう1つd10を振って、その出目を判定結果に加える。
【GM】
結果〈ハンドガン〉の判定結果は25。DJ_Ωに命中したぞ。
ダメージは4d6を振って……チッ、10点だ。
【DJ_Ω】
着ている軽装アーマージャケットのSPは11!
助かった、ヒット・ポイントは減らないぜ。
ダメージの点数もSP以下だから防具も損耗しない!
【GM】
では次はロックバイトの2人のターンだが、〈ライフル〉技能は低いから距離を詰められると慌て出すぞ。
1人は〈ライフル〉で判定して……13。距離が22mまで近づいているからハズレだ。
隠れるためにThree-Dの脇に滑り込んでくる。
【Three-D】
む、少し邪魔だな。
【GM】
ファンのビリーはDJ_Ωの隣まで来て「良かったら使ってくれよぉ」とアサルト・ライフルを差し出してターン終了。
【DJ_Ω】
〈ライフル〉技能なんて俺も持ってないし、要らん!
【GM】
これで全員ターン終了だな、次のラウンド開始だ。
戦闘に参加しているすべてのキャラクターが1回ずつターンを終えたら、新たなラウンドが開始する。
イニシアチブは戦闘開始時に決めた数値のままだ。
第2ラウンド
【DJ_Ω】
もう隠れられそうなところはないんだよな?(【GM】YES。)
仕方ない、撃ってから少し下がるとするか……重傷状態のギャンガーを超大型拳銃でBANG!
〈ハンドガン〉の判定結果は……よし、俺も出目10! お返しだな。ダイスの振り足しで、余裕で命中だ。
ダメージは……良い目だ、17点。おまけにダメージのダイスで6の目が2つ出てるぜ!
ダメージを決めるために振ったダイスにおいて、6の目が2個以上出たなら、致命的損傷を与える!
通常のダメージに加えて、致命的損傷の表に書かれた効果と、追加で5ポイントのボーナス・ダメージを与えられる。
【GM】
なんてこった、ラッキーボーイめ……オーライ、受けた致命的損傷を決めよう。2d6は?(【DJ_Ω】6だ。)
じゃあそのギャンガーは片腕を損傷、咄嗟にかばった利き腕だったことにしよう。
持っていた超大型拳銃を取り落す。
更に受けたダメージと5点のボーナス・ダメージでヒット・ポイントは0だ。
【DJ_Ω】
これであと4人! こりゃ下がるまでもないかな? ターン終了だ。
【アンディ】
まだ瀕死状態なだけですよ、気を抜かないで下さい。
幸か不幸か、ナイトシティではヒット・ポイントが0以下になっても即座に死にはしない。瀕死状態になるだけだ。
死亡セーヴを失敗するまでに、誰か(大抵は仲間のメドテクか契約しているトラウマ・チームだろう)が救いの手を差し伸べてくれれば、気絶するだけで済む、かも知れない。
【アンディ】
念には念を入れてとどめ……よりは、アサルト・ライフルのダメージの大きさを少しでも活かしたいところですね。
GM、狭い裏路地とは言え10mくらいは下がれそうですか?
【GM】
ああ、問題なく後退できる。
ただし今いる位置から20m以上後退したら、入り組んだ裏路地に紛れ混んでしまって、単身でコンバット・ゾーンを彷徨ってもらうことにしよう。
【アンディ】
それは御免被りたいですね。
では10m下がって距離を32m空け、無傷のギャンガーにアサルト・ライフルを1発。
〈ライフル〉の判定結果は……13。難易度と同じでは失敗ですね、残念。
【Three-D】
さて、俺のターンだが、相手との距離は22mか……よし、壁から少し身を出してフルオート射撃だ。念のため運命も消費しておこう。
フルオート射撃の結果は高ければ高い方が良いからな。
一部の銃器はフルオート射撃が行える。
フルオート射撃は消費弾薬も多いが、与えるダメージが攻撃の判定結果が難易度を上回った数値(=フルオート倍率)で決まるので、予想以上の大ダメージを与えられる可能性もあるのだ。
【GM】
距離が22mだから難易度は17。
アサルト・ライフルのフルオート倍率は4までだから気を付けてくれ。
【Three-D】
ああ、俺の〈フルオート射撃〉は13だから運命を3点消費。
1d10の出目は6で、判定結果は22……よし、フルオート倍率は最大の4まで行ったな。
ダメージは7×4で28点!
【GM】
こいつはひでえ!
SPで軽減するがそれでもヒット・ポイントは一気に0点まで下がる。瀕死状態だ。
さて、また身を隠してターン終了か?
【Three-D】
……そうだな、身は隠す。
更に次のターンに備えてアサルト・ライフルをその場に落とすぞ。
【GM】
ではイン・ザ・リバーの連中だが、2人は瀕死状態。死亡セーヴを振るぞ。
1人目の出目は5、【体格】以上から死亡だ。
2人目の出目は……7、残念だがこいつも死亡か。
残るは3人。仲間がやられたが、まだ半数以上残ってるしやる気だ。
全員14mまで距離を詰めて、丸見えのビリーを狙うぞ。
【DJ_Ω】
ああっ、貴重な俺のファンが!
【GM】
1人目、〈ハンドガン〉の判定は20、難易度と同じで失敗。2人目の判定は18でまた外れ!
3人目の判定は21、やっと命中したぞ。ビリーへのダメージは14点で、重傷状態になる。「ぐぁ! 痛ぇええ!」
【DJ_Ω】
「よくも俺のファンを撃ちやがったな!」
【GM】
「く、くそぉ……」とビリーはコンクリの壁に向かうが、Three-Dともう1人ロックバイトのギャンガーがいるし、身を隠しきれはしないな。
ロックバイトのギャンガーは「おい、ビリー、しっかりしろ!」と声をかけながらアサルト・ライフルを撃つが難易度が16まで上がっているから当たらない。
これでロックバイトもターンを終了して、3ラウンド目だ。
第3ラウンド
【DJ_Ω】
一番拳銃を当てやすい距離まで距離を詰める! 6mまで近づいてからBANG!
〈ハンドガン〉の判定結果は17で命中でダメージは13点だ!
【GM】
それだと結構ダメージは入ったが、重傷状態までは至らない。
【アンディ】
追撃しましょう。まだ距離は取れる筈なので2mだけ下がって26mの位置へ。
〈ライフル〉の判定結果は15で命中、良い調子ですね。ダメージは19点です!
【GM】
SPも削れていたので、その1発でヒット・ポイントがなくなって瀕死状態だ。
【Three-D】
よし、予想通り14mまで近づいたな。移動で間際まで近づきつつ、大型近接武器のカタナを引き抜く。ダメージは減るが攻撃回数は2回だ。まだ攻撃されてないギャンガーを切るぞ。
1回目の〈近接攻撃〉判定は21、〈回避〉の判定を振りな。
【GM】
〈回避〉は13、命中だ。
近接攻撃は、目標となる難易度は決まっていない。〈近接攻撃〉の判定結果と、攻撃されたキャラクターの〈回避〉判定結果を比べることになる。
【Three-D】
ダメージは12点、近接攻撃だからSPは半分で計算してくれ。(【GM】それで重傷状態。)
2回目の〈近接攻撃〉判定は17!(【GM】命中だ。)
ダメージの目も良いな。13点だ。
【GM】
それでこいつもヒット・ポイントがなくなって瀕死状態だな。
こりゃもうどうしようもない。次のターンで残った1人は逃げ出そう。
瀕死状態の2人も【体格】はそう高くないし、くたばった。
戦闘終了だ。
やはり遮蔽がなくなって距離が詰まると、一気にダメージが入るようになるな。
戦闘後
【GM】
「あんたらのお陰で助かったぜ」とロックバイトのギャンガーは感謝しているよ。
【DJ_Ω】
「次のライブも見に来てくれよな!」
【Three-D】
ここらはイン・ザ・リバーとやらの縄張りなんだろ? だいぶ騒がしくしちまったし、俺たちもズラかった方が良いんじゃないか? 嫌な予感がするんだが。
【GM】
Three-Dの予感は的中する。「あっちだ!」という声と、何人かの足音がバタバタと聞こえてくるぞ。音だけではロックバイトかイン・ザ・リバーかは当然わからんが、ビリーたちも警戒度を高めていて、安心はできない。
【アンディ】
急ぎましょう、この後の仕事も残ってるんですから!
【GM】
オーライ、じゃあロックバイトの連中と共にその場を後にして、君たちは約束の場所に走って行く……というわけで次の場面に移ろうか。
……このように、ナイトシティでの物語は進んでいく訳だ。